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Channel: あさめしまえ
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今宵 ターンテーブルの上で

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中学生の頃、洋楽を聴き始めた頃買ってもらったミニコンポがあったのだが、とうの昔に捨ててしまっている。なぜか、コンポ一式に入っていたレコードプレーヤーだけは残していて、家を出た後もレコードと共に持ってきていた。中学生の頃からレコードは、わずかな埃や傷で発するノイズが嫌で、CDばかり聴くようになってしまった。しかし、レコードしか音源がないものもあり、「いつか聴くだろう」と何となくプレーヤーと盤を残したまま約40年が過ぎた。

プレーヤーとレコードは家の中でそこそこ場所をとっていて、もう何十年も聴かないものをとっておいても、と処分前提に残されたレコードを一度聴いてみようとターンテーブルにおいて動かしてみた。でもターンテーブルが回らない。故障か。となるとますます残したレコードを聴いてみたくなり、既存のレコードプレーヤーを捨てて、新しい物を買おうなどと考えてみた。

念の為ターンテーブルを持ち上げて、中の様子をみてみると、何やら短冊状の昆布の切れ端のようなものが散らばっている。どうやらレコードを回すのはゴムの輪っかで、それが劣化して切れて散らかっているようだ。何しろ40年ほど前の代物である。

ネットで調べると、このゴムベルトは1000円から2000円で入手できるようだ。ネットで買えばすぐ入手できる時代であるが、あえて「アナログ」に大型家電量販店で入手してみた。1550円。

購入したゴムベルトをターンテーブルの下側にリングに回し入れ、ターンテーブルを元の場所に戻す。

ゴムベルトを駆動部分のピンのようなものに引っ掛けて、金属のテーブルの上にゴムのシートを戻せば元通り。

電源を入れ、古いラジカセ(!)のaux in につなぎ、スイッチを押すと、果たしてレコードは懐かしい音を響かせた。

昔は嫌だったノイズが、ノスタルジーと安らぐような、なんとも言えない気持ちにさせる。

今宵はアナログレコードを聴きながらほろ酔い。贅沢な時間なのであった。


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